脳神経にはさまざまな症状があります
頭痛、めまい、しびれ、物の見えにくさ、耳鳴り。脳や神経の不調は、日常のさまざまな症状としてあらわれます。
「この症状は、どこに相談すればいいのだろう」「様子を見ていて大丈夫だろうか」と迷われる方も少なくありません。脳神経に関わる症状の中には、休めば治る一時的なものもあれば、脳卒中など重大な病気のサインが隠れていることもあります。大切なのは、その症状の背景に何があるのかを見極めることです。
脳神経の主な症状一覧
- 頭痛
- めまい・ふらつき
- 物が2重に見える
- スマホの使いすぎで調子が悪い
- 耳鳴りがする
- 脱力・手足のしびれ
- もの忘れ
- ろれつが回らない・言葉が出にくい
- けいれん・ふるえ
- 頭部の打撲
これらの症状は、一時的な症状で済むこともあれば、脳卒中などの大きな病気の可能性もあります。
特に、「突然」あらわれた症状や、「片側」だけの手足・顔のしびれや麻痺、ろれつの異常は、早急な対応が必要な場合があります。
物が2重に見える
物が二重に見える(複視)とは、1つのものが2つにダブって見える状態をいいます。
片目で見たときに二重になる場合と、両目で見たときに二重になり、片目を隠すと治る場合があり、特に後者は脳や神経の問題が関わっていることがあります。
考えられる主な原因
- 眼を動かす神経(動眼神経など)の障害
- 脳梗塞・脳出血などの脳卒中
- 脳動脈瘤による神経の圧迫
- 脳腫瘍
- 糖尿病による神経の障害
- 重症筋無力症などの病気
対応のポイント
物が二重に見える症状は、目そのものの問題だけでなく、脳や神経の病気が背景にあることがあります。
特に注意したいのは、「突然」二重に見えるようになった場合や、頭痛・手足のしびれ・ろれつの異常などをともなう場合です。これらは脳卒中や脳動脈瘤のサインである可能性があり、早急な受診が必要です。
スマホ症候群
「スマホ症候群」とは、スマートフォンの長時間使用によって、首や肩、目、さらには頭や心にまでさまざまな不調があらわれる状態です。
医学的な病名ではありませんが、うつむいた姿勢が続くことで、多くの方に起こりうる身近な不調です。
あらわれやすい症状
- 首や肩のこり、痛み(ストレートネックにつながることも)
- 頭痛(特に後頭部から首すじにかけての痛み)
- 目の疲れ、かすみ、ドライアイ
- 手や指のしびれ、腱鞘炎
- めまい、ふらつき
- 集中力の低下、睡眠の乱れ
考えられる原因
- 長時間のうつむき姿勢による、首や肩への負担
- 画面を見続けることによる、目の酷使
- 同じ姿勢を続けることによる血流の悪化
対応のポイント
スマホ症候群による不調は、日頃の使い方を見直すことで、和らぐことが多くあります。
長時間の使用を避ける、姿勢を意識する、こまめに休憩をとる、といった工夫が役立ちます。ただし、頭痛やしびれが強い場合や、なかなか改善しない場合は、別の病気が隠れていることもあります。気になる症状が続くときは、一度ご相談ください。
耳鳴りがする
耳鳴りは、周りで音がしていないのに、「キーン」「ジー」「ザー」といった音が聞こえる症状です。
多くの方が経験する身近な症状ですが、その原因はさまざまで、耳の問題だけでなく、脳や血管、全身の状態が関わっていることもあります。
考えられる主な原因
- 耳の病気(加齢による聞こえの低下、メニエール病、突発性難聴など)
- ストレスや疲れ、睡眠不足
- 血圧の異常や、血管の問題
- まれに、脳腫瘍や脳血管の異常が関わることがある
特に注意したい耳鳴り
拍動性の耳鳴り
心臓の拍動に合わせて「ザッ、ザッ」と脈打つように聞こえるもの。血管の異常が関わっていることがあります
片側だけの耳鳴り
一方の耳だけに続く場合は、原因を調べることが大切です
めまいやしびれ、頭痛をともなう
対応のポイント
耳鳴りの多くは命に関わるものではありませんが、中には脳や血管の病気が背景にあることもあります。特に、脈打つような耳鳴りや、片側だけの耳鳴り、他の神経症状をともなう場合は注意が必要です。
一過性の脱力
「一過性の脱力」とは、手足や体に急に力が入らなくなり、それが一時的におさまる症状をいいます。
「急に片方の手に力が入らなくなったが、しばらくして治った」といった場合、放置せず、一度受診していただくことをおすすめします。
考えられる主な原因
- 一過性脳虚血発作(TIA):脳の血管が一時的に詰まりかけて起こる。脳梗塞の前触れとして特に重要
- てんかんの発作
- 低血糖など、全身の状態によるもの
なぜ注意が必要なのか
一過性の脱力の中でも特に注意したいのが、一過性脳虚血発作(TIA)です。
症状は数分から数十分でおさまることが多いのですが、これは「脳梗塞が起こる前の警告」であり、放置すると本格的な脳梗塞につながる危険があります。
対応のポイント
最も大切なのは、「治ったから大丈夫」と考えないことです。特に、脱力とともに、ろれつが回らない、顔や手足の片側のしびれ、言葉が出にくいといった症状があった場合は、脳卒中が強く疑われます。一時的におさまった場合でも、できるだけ早く受診し、原因を調べることが重要です。