脳神経の病気にはさまざまな種類があります
脳・脊髄・末梢神経にわたる「脳神経」の領域には、頭痛やめまい、しびれといった身近な症状から、脳卒中や認知症、脳腫瘍、てんかんなど、さまざまな病気が含まれます。
「この症状は何科にかかればいいのか分からない」と悩まれる方も少なくありません。頭や神経に関わる不調は、まず脳神経を専門とするクリニックにご相談ください。
当院では、脳・脊髄・末梢神経の幅広い病気に対応し、院内のMRIなどを用いて原因を見極めます。
脳腫瘍
脳腫瘍は、脳やその周りの組織にできる「できもの(腫瘍)」の総称です。脳そのものから発生する腫瘍と、他の臓器のがんが脳に転移してできる腫瘍があります。
また、命に関わりやすい悪性のものから、ゆっくり進行する良性のものまで、種類はさまざまです。
主な症状
症状は、腫瘍のできた場所や大きさによって異なります。
- 朝方に強い頭痛(起き抜けに痛み、時間がたつと和らぐことがある)
- だんだんひどくなる頭痛
- 手足の麻痺やしびれ、言葉が出にくい
- 物が見えにくい、視野が欠ける
- けいれん
- 吐き気・嘔吐
- 性格の変化、もの忘れ
対応のポイント
脳腫瘍の診断には、MRI検査が有効です。腫瘍の有無や、その位置・大きさ・性質を詳しく調べることができます。
早期に発見できれば、治療の選択肢が広がることも少なくありません。特に、「だんだんひどくなる頭痛」「朝方の頭痛」「けいれん」などは注意が必要なサインです。
てんかん
てんかんは、脳の神経細胞が一時的に過剰に活動することで、発作を繰り返す病気です。
「子どもの病気」というイメージを持たれることもありますが、実際には、高齢になってから発症することもあり、どの年代でも起こりうる身近な病気です。
主な症状
てんかんの発作は、脳のどの部分が興奮するかによって、あらわれ方が大きく異なります。
- 全身がけいれんし、意識を失う
- 体の一部(手や顔など)がピクピクとけいれんする
- 数秒から数十秒、ぼーっとして反応がなくなる
- 手をもぞもぞさせる、口をもぐもぐさせるなどの動作を繰り返す
- 一時的に意識が遠のく
対応のポイント
てんかんは、適切なお薬による治療で、多くの方が発作をコントロールしながら日常生活を送れる病気です。
診断には、脳波検査やMRI検査などを行い、発作の原因やタイプを見極めます。特に高齢で初めて発作が起きた場合は、脳卒中や脳腫瘍などが背景に隠れていることもあるため、原因を調べることが大切です。
顔面麻痺
顔面麻痺は、顔の筋肉を動かす神経(顔面神経)の働きが悪くなり、顔の片側が動かしにくくなる病気です。
ある日突然、「顔の半分が動かない」「うまく笑えない」「口から水がこぼれる」といった症状であらわれ、驚いて受診される方が多くみられます。
主な症状
- 顔の片側が動かしにくい、力が入らない
- 目が閉じにくい、まばたきがしにくい
- 口角が下がり、うまく笑えない
- 食べ物や飲み物が口からこぼれる
- 額のしわが片側だけ寄らない
- 味を感じにくい、音が響いて聞こえる
対応のポイント
顔面麻痺の多くは、ウイルスなどが関わる「末梢性」のもので、適切な治療によって改善が期待できます。
ただし、治療は早く始めるほど効果が期待できるため、できるだけ早い受診が大切です。
また、注意したいのは、顔面麻痺の中に、脳梗塞や脳出血など脳の病気が原因のものが隠れている場合があることです。特に、顔だけでなく手足の麻痺やろれつの異常をともなう場合は、脳卒中が疑われます。
顔面けいれん
顔面けいれんは、自分の意思とは関係なく、顔の片側の筋肉がピクピクとけいれんする病気です。
多くは目のまわりのピクつきから始まり、少しずつ頬や口元へと広がっていきます。命に関わる病気ではありませんが、人目が気になる、疲れるなど、日常生活の負担になることが少なくありません。
主な症状
- 片側の目のまわりが、ピクピクとけいれんする
- けいれんが、頬や口元へと広がっていく
- 緊張したときや疲れたときに、症状が強くなりやすい
- 進行すると、けいれんで目が開けにくくなることがある
対応のポイント
顔面けいれんの多くは、脳の血管が顔面神経に触れて刺激することが原因と考えられています。そのため、MRI検査で神経と血管の状態を確認することが診断に役立ちます。
治療としては、けいれんを起こす筋肉の緊張をやわらげるボツリヌス療法などがあり、症状の軽減が期待できます。
パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の中で体の動きをスムーズにする「ドパミン」という物質が減っていくことで、体の動きに障害があらわれる病気です。
主に高齢の方に多くみられ、ゆっくりと進行していくのが特徴です。
主な症状
- じっとしているときに、手足がふるえる(手足のふるえ)
- 歩くのが遅い、動き出しに時間がかかる(動作が遅くなる)
- 体が固くなり、動かしにくい(筋肉のこわばり)
- 前かがみになる、転びやすい(姿勢やバランスの障害)
このほか、表情が乏しくなる、歩くときの一歩目が出にくい、小またで歩く、といった変化もみられます。また、便秘や意欲の低下、睡眠の問題などをともなうこともあります。
対応のポイント
パーキンソン病は、お薬による治療で症状をやわらげ、生活の質を保つことが期待できる病気です。
減ってしまったドパミンを補うお薬などを、状態に合わせて調整していきます。診断では、症状の確認に加え、MRI検査で似た症状を示す他の病気(脳卒中など)と区別することも大切です。