ストレートネック(スマホ首)が気になる方へ
「首や肩のこりがなかなか取れない」「頭痛が続く」スマートフォンやパソコンを見る時間が長くなった現代、多くの方に見られる状態です。
本来ゆるやかにカーブしている首の骨が、まっすぐになってしまうことで、首や肩、そして頭にまでさまざまな不調があらわれます。
「よくあることだから」と我慢されている方も多いのですが、つらい症状は適切な対応で楽になることがあります。
セルフチェックリスト
まずは、ご自身がストレートネックの傾向にあるかどうか、以下の項目でチェックしてみましょう。
当てはまるものが多いほど、その可能性が高いと考えられます。
生活習慣のチェック
- 1日に何時間もスマートフォンを見ている
- パソコン作業やデスクワークが長い
- うつむいた姿勢でいることが多い
- 猫背だと感じる、姿勢が悪いと言われる
- 枕が高い、または合っていない気がする
体の状態のチェック
- 首や肩のこりが慢性的にある
- 頭痛が起こりやすい
- 上を向くと、首がつまる・痛む・動かしにくい
- 首から肩、背中にかけて重だるさがある
- 手や腕にしびれを感じることがある
簡単な姿勢チェック
壁に、かかと・お尻・背中を軽くつけて立ってみてください。
このとき、後頭部が自然に壁につかない、または、つけようとすると苦しい場合は、ストレートネックの傾向があるかもしれません。
これらはあくまで目安です。
当てはまる項目が多い方や、頭痛・しびれなどの症状が強い方は、一度専門医にご相談ください。
ストレートネックとは
私たちの首の骨(頸椎)は、7つの骨が積み重なってできており、本来は前方にゆるやかなカーブを描いています。
このカーブがあることで、重い頭(成人で体重の約1割、およそ4〜6kgあります)をうまく支え、動きや衝撃をやわらげるクッションの役割を果たしています。
ストレートネックとは、この首の自然なカーブが失われ、首の骨がまっすぐに近い状態になってしまったものをいいます。スマートフォンを見るときのうつむき姿勢が大きく関わることから、「スマホ首」とも呼ばれています。

カーブが失われると、次のような問題が起こります。
- 重い頭を支える負担が、首や肩の筋肉に集中する
- 衝撃をやわらげるクッション機能が低下する
- 首まわりの筋肉が緊張し、血流が悪くなる
うつむいた姿勢では、首にかかる負担が大きく増えるといわれています。
その負担が積み重なることで、首や肩のこり、頭痛など、さまざまな不調につながっていきます。ストレートネックは特別な人だけのものではなく、現代の生活習慣の中で、誰にでも起こりうる身近な状態です。
ストレートネックの原因

ストレートネックは、日々の生活習慣の積み重ねによって起こることがほとんどです。首に負担をかける姿勢や動作を続けることで、少しずつ首の自然なカーブが失われていきます。
主な原因には、次のようなものがあります。
- 姿勢・生活習慣によるもの
- スマートフォンの長時間使用
- 長時間のパソコン作業・デスクワーク
- 猫背などの姿勢のくせ
- 合わない枕
そのほかの要因
- 運動不足による、首や背中の筋力の低下
- 加齢による、首の骨や筋肉の変化
これらの中でも、特に大きな原因となっているのが、スマートフォンやパソコンを見るときの「うつむき姿勢」です。
頭が前に傾くほど、首にかかる負担は大きくなります。長時間、同じ前傾姿勢を続けることが、ストレートネックを招く大きな要因です。裏を返せば、日頃の姿勢を意識することで、予防や改善につなげられるということでもあります。
ストレートネックによって起こりやすい症状
ストレートネックになると、首や肩への負担が増え、血流も悪くなることで、さまざまな不調があらわれやすくなります。
首まわりだけでなく、全身に影響が及ぶこともあるのが特徴です。
首・肩まわりの症状
- 慢性的な首や肩のこり
- 首の痛み、動かしにくさ(上を向きにくいなど)
- 背中の重だるさ

頭や神経に関わる症状
- 頭痛(特に、後頭部から首すじにかけての痛み)
- 手や腕のしびれ(首の神経が圧迫されると起こることがあります)

全身に及ぶ症状
- めまい、ふらつき
- 目の疲れ
- 吐き気
- 自律神経の乱れによる、だるさや不眠

こうした症状は、首の筋肉の緊張や血流の悪化、神経への影響などが関わって起こると考えられています。
「ただの肩こり」と思っていた不調が、ストレートネックと関係していることも少なくありません。特に、手足のしびれをともなう場合や、めまい・頭痛が強い場合には、他の病気との見極めも大切になります。
ストレートネックと頭痛の関係
ストレートネックは、頭痛と深く関わっています。中でも関係が深いのが「緊張型頭痛」です。
ストレートネックが頭痛につながる流れ
- ストレートネックによって、首や肩の筋肉が常に緊張する
- 筋肉が緊張し続けると、首や肩の血流が悪くなる
- 緊張と血流の悪化が、後頭部から首すじにかけての神経を刺激する
- 頭全体が締めつけられるような、重い頭痛が起こる
このタイプの頭痛は、後頭部が痛むことが多く、肩や首のこりをともなうのが特徴です。デスクワークやスマートフォンの使用で悪化しやすく、夕方につらくなる方も少なくありません。
注意したいこと
一方で、「首こりからくる頭痛だろう」と自己判断するのは危険な場合もあります。
頭痛の中には、片頭痛や、まれに脳の病気(脳出血やくも膜下出血など)が原因のものも隠れています。特に、「突然の激しい頭痛」「これまでにない頭痛」「手足のしびれをともなう頭痛」は注意が必要です。
当院では、頭痛のタイプを見極め、必要に応じて院内のMRIで危険な頭痛が隠れていないかを確認します。つらい頭痛が続く方は、「肩こりのせい」と決めつけず、一度ご相談ください。
よくある質問
ストレートネックは自分で治せますか
姿勢の見直しや、首・肩のストレッチ、スマートフォンの使い方の工夫などで、症状が和らぐことは多くあります。
ただし、しびれや強い頭痛をともなう場合は、自己判断せず一度ご相談ください。
ストレートネックの頭痛と、片頭痛はどう違いますか?
ストレートネックに関わる頭痛(緊張型頭痛)は、後頭部が締めつけられるように重く痛み、肩こりをともないやすいのが特徴です。
片頭痛はズキンズキンと拍動し、動くと悪化します。両方が混在することもあり、見極めが難しいときはご相談ください。
頭痛で受診したら、MRI検査は必要ですか?
すべての方に必要なわけではありません。診察のうえで、危険な頭痛が疑われる場合などに、MRIで検査をする場合があります。
何科を受診すればよいですか?
頭痛やしびれをともなう場合は、脳神経外科や脳神経内科にご相談ください。
手のしびれもあります。関係ありますか?
首の神経が圧迫されることで、手や腕にしびれが出ることがあります。ただし、他の原因のこともあるため、しびれが続く場合は一度検査をおすすめします。