頭痛・片頭痛にはいくつかの種類があります
「頭痛」とひとことで言っても、その種類はさまざまで、原因も対処法も大きく異なります。
頭痛は、大きく分けて他の病気が原因ではない「一次性頭痛」と、脳などの病気が原因の「二次性頭痛」に分かれます。片頭痛は前者の代表です。
頭痛の種類について
片頭痛
片頭痛は、一次性頭痛の代表的なもので、ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴です。
名前から頭の片側が痛むイメージがありますが、実際には両側や後頭部が痛むこともあります。
主な特徴
- ズキンズキンと拍動するように痛む
- 数時間から3日ほど続くことがある
- 吐き気や嘔吐をともなうことがある
- 光や音、においに敏感になる
- 体を動かすと痛みが悪化する
- 頭痛の前に前兆(目の前がチカチカする)があらわれる人もいる
起こりやすい方・原因
片頭痛は、頭の血管が広がり、周囲の神経が刺激されて起こると考えられており、女性に多くみられる傾向があります。
- ストレスと、その解放(休日など)
- 睡眠の乱れ(寝不足・寝すぎ)
- 天気・気圧の変化
- 女性ホルモンの変動(生理の前後)
- 特定の食べ物・飲み物、空腹、強い光や音
対処のポイント
片頭痛が起きているときは、暗く静かな場所で安静にすると和らぎやすくなります。
痛みが起きたときに使う治療薬に加え、発作の回数が多い方には予防のお薬も選択肢になります。
片頭痛の種類について
同じ「片頭痛」でも、前兆の有無や頻度によってタイプが分かれ、治療の進め方も変わってきます。
前兆のある片頭痛
頭痛が起こる前に、目の前がチカチカする、視野の一部が見えにくくなる(閃輝暗点)などの前兆があらわれるタイプ
前兆のない片頭痛
前兆なく頭痛が始まるタイプ。片頭痛の中では最も多い
反復性片頭痛
ときどき起こる、一般的な片頭痛
慢性片頭痛
月に15日以上の頭痛が3か月以上続くなど、頭痛の日数が非常に多いタイプ
慢性片頭痛は、生活への影響が大きく、市販薬の飲みすぎ(薬物乱用頭痛)が背景にあることも少なくありません。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、多くの方が悩まれている頭痛です。
頭全体が締めつけられるような、重く鈍い痛みが特徴で、片頭痛のようなズキンズキンとした拍動性の痛みとは異なります。
主な特徴
- 頭全体や後頭部が、締めつけられるように重く痛む
- ズキンズキンではなく、鈍く持続する痛み
- 肩や首のこりをともないやすい
- 片頭痛と違い、体を動かしても悪化しにくい
- 吐き気や光・音への過敏は、あってもごく軽い
起こりやすい方・原因
長時間のデスクワークやスマートフォンの使用などで、首や肩の筋肉が緊張し続けることが大きく関係します。
- 同じ姿勢を続けること、姿勢の悪さ
- 目の疲れ
- 精神的なストレスや緊張
- 運動不足
対処のポイント
緊張型頭痛は、筋肉の緊張をやわらげることが大切です。
適度に体を動かす、肩や首をストレッチする、入浴で体を温める、長時間同じ姿勢を避けるといった工夫が役立ちます。痛みが強いときや頻繁に起こるときは、お薬で対応することもあります。
片頭痛と緊張型頭痛が混在している方もいるため、頭痛が続く場合は、一度ご相談ください。
群発頭痛
群発頭痛は、頻度は多くないものの、「目の奥をえぐられるような」と表現されるほどの、非常に激しい痛みをともなう頭痛です。
一定の期間に集中して繰り返し起こるのが特徴で、痛みの強さから生活に大きな支障をきたします。
主な特徴
- 片方の目の奥やこめかみに、激しい痛みが起こる
- 1回の痛みは15分から3時間ほど続く
- ある期間(数週間から数か月)、毎日のように決まった時間帯に起こる
- 痛む側の目の充血・涙、鼻づまり・鼻水をともなうことがある
- 痛みでじっとしていられず、動き回ってしまうことがある
起こりやすい方・原因
片頭痛とは反対に、男性にやや多くみられる傾向があります。
原因は完全にはわかっていませんが、次のような要因が関係すると考えられています。
- 飲酒(群発期に痛みを誘発しやすい)
- 睡眠や生活リズムの乱れ
- 気圧の変化
対処のポイント
群発頭痛は、市販の痛み止めが効きにくく、専門的な治療が必要になることが多い頭痛です。
発作を抑える治療や、群発期に発作を予防する治療などがあります。「我慢するしかない」と思われがちですが、適切な治療で対応できます。
激しい頭痛が続く場合は、我慢せずにご相談ください。
薬物乱用頭痛(薬物の使用過多による頭痛)
頭痛薬(痛み止め)を使いすぎることによって、かえって頭痛が起こりやすくなってしまう頭痛です。
「頭痛がつらいから薬を飲む→薬が手放せなくなる→さらに頭痛が増える」という悪循環に陥ってしまうのが特徴です。
片頭痛や緊張型頭痛のある方が、市販薬を頻繁に使ううちに、これを併発してしまうことが少なくありません。
主な特徴
- 以前より頭痛の回数が増え、ほぼ毎日のように頭が痛む
- 痛み止めが効きにくくなってきた
- 朝起きたときから頭痛があることが多い
- 頭痛薬を月に10日以上、または15日以上使っている
起こりやすい方・原因
市販薬を含む頭痛薬を、頻繁に長期間使い続けることが原因です。「効かないから」とさらに薬を重ねることで、悪循環が強まります。
まじめに痛みに対処しようとする方ほど、陥りやすい面があります。
対処のポイント
薬物の使用過多による頭痛の改善には、まず原因となっている薬の使い方を見直すことが必要です。
ただし、急な自己判断での中止は難しいこともあるため、専門医と一緒に進めることが大切です。もとにある片頭痛などの治療(予防を含む)を並行して行うことで、薬に頼りすぎない状態を目指します。
「薬が手放せない」と感じている方は、一度ご相談ください。
自分の頭痛がどのタイプか分からない方
頭痛はタイプによって症状が重なることもあり、ご自身での判断は簡単ではありません。
大切なのは、無理にご自身でタイプを決めつけず、専門医に相談することです。頭痛のタイプが正しく分かれば、それぞれに合った適切な治療が可能になります。
当院では、問診に加え、必要に応じて院内のMRIで危険な頭痛が隠れていないかを確認し、頭痛のタイプを診断します。
受診の際は、「いつ・どんなときに・どのくらい痛むか」をメモしておいていただくと、診断に役立ちます。「この頭痛は何だろう」と気になる方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
自分の頭痛が片頭痛か緊張型頭痛か分かりません。
片頭痛はズキンズキンと拍動し、動くと悪化しやすいのが特徴です。
緊張型頭痛は頭全体が締めつけられるように重く痛みます。ただし両方を併せ持つ方もいます。
頭痛の種類によって治療は変わりますか?
はい、変わります。
同じ「頭痛」でも、タイプによって効果的なお薬や対処法が異なります。
市販薬で対処し続けても大丈夫ですか?
使いすぎると、かえって頭痛が増える「薬物乱用頭痛」を招くことがあります。
月に10日以上痛み止めを使う状態が続く方は、一度ご相談ください。
どんな頭痛だと、すぐに受診すべきですか?
「突然の激しい頭痛」「これまでにない頭痛」「手足のしびれやろれつの異常をともなう頭痛」は、危険な頭痛の可能性があります。
すぐに受診してください。
頭痛でMRI検査は必要ですか?
すべての方に必要なわけではありません。
診察のうえで必要と判断した場合に、危険な頭痛が隠れていないかを確認するために行います。